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黄斑円孔

当院の黄斑円孔手術の特徴

  • 当院ではこれまでの多数の手術経験を元に、黄斑円孔の閉鎖率を向上させるため、黄斑円孔の状態に応じて内境界膜の剥離法やタンポナーデの気体の使い分けの工夫をしています。一般的に閉鎖しづらいと言われている大きな黄斑円孔や強度近視の黄斑円孔に対しても多数の経験があります。
  • 大学病院等の高度医療機関でないと行えないことが多い手術であり、また入院が必須になることがほとんどですが、当院では30-45分程度で日帰りで手術を受けていただけます。
  • 黄斑円孔は手術後のうつ伏せが必要な手術であり、うつ伏せ期間に関しては多くの患者様が心配される点です。当院では閉鎖率を維持しつつ、なるべくうつ伏せの期間が短く(最短1日)できるよう工夫をしています。

黄斑とは

  • 黄斑部とは、網膜の中心部分をのことで、網膜の感度が高く、中心の視力に影響する最も重要な部位です。
  • 黄斑部には様々な病気が起こります。そして黄斑部の異常は見え方(中心部の視野や視力)に直結するため、一番見たい中心部が見えない、中心が歪むなど著しく見え方の質を低下させます。
  • 病気によっては治療が遅れると高度に視力が低下したり、歪みが高度になったりするため、早期の治療が望ましい病気が多くあります。
黄斑の説明画像

黄斑円孔とは?

黄斑円孔とは、黄斑部の中心の中心窩というところに孔が開いてしまい、歪んで見える、視力が低下するなどの症状が起きる病気です。初期の段階では歪みや視力低下は軽度ですが、孔の大きさが大きくなってくると強い歪みや中心部の暗点(見えない部分)、高度の視力低下に至ります。また強度近視の場合は、黄斑円孔をきっかけに網膜剥離になる黄斑円孔網膜剝離を生じることがあり、失明に至ることもあります。

黄斑円孔のステージ

黄斑円孔の生じる原因は、硝子体と黄斑部の接着にあります。硝子体は加齢現象で収縮するため、歳を取ると誰しも硝子体が網膜の表面から外れる後部硝子体剥離という現象が起こりますが、黄斑部と硝子体の癒着が強い眼では、この後部硝子体剝離が起こる時に黄斑部に引っ張られる力が加わります。この引っ張られる力により黄斑部に孔が開いてしまうことで黄斑円孔が生じます。

ステージ1

硝子体に引っ張られた黄斑部の内層に、嚢胞が生じます。さらに引っ張られると、網膜の外層に亀裂が入ってきます。この段階がステージ1です。歪みは出てきますが、視力低下はまだそれほど高度ではない事が多いです。

ステージ2

黄斑部がさらに引っ張られ、全層の黄斑円孔が形成されますが、蓋がまだ残っている状態です。歪みが強くなり、視力低下も高度になってきます。

ステージ3

黄斑円孔の蓋がほぼ外れますが、後部硝子体剝離はまだ完成していない段階です。ステージ2よりもさらに症状が強くなります。

ステージ4

後部硝子体剥離が完成した段階です。歪みは著明になり、視力低下も著しくなります。

治療法は?

黄斑円孔は、初期(ステージ1)であれば稀に硝子体がきれいに外れて自然治癒することがありますが、進行すると自然治癒することはありません。ステージ2以降では自然治癒することはまずありませんので、進行して黄斑円孔が大きくなり、視力低下が高度になる前に治療を行います。
薬で治療することはできませんので、硝子体手術を行います。50歳以上の方や、強度近視の方は、白内障手術も同時に行うことが推奨されています。黄斑円孔は小さいものであれば、手術で95%以上治りますが、進行したものや大きいもの、強度近視のものでは治療成績が悪いと言われています。
手術では、硝子体を除去して清潔な水に置換した後に、黄斑円孔の周囲の「内境界膜」という極めて薄い膜を剥離します。内境界膜は網膜の最表層にあるやや硬い組織で、視機能には関わっていない組織です。内境界膜を剥離することで網膜を伸びやすい状態にして、元々硝子体があったところを空気や膨張性のガスに置き換えて手術を終了します。
手術後はうつ伏せの姿勢をしていただくことで、伸びやすくなった網膜を空気やガスで押さえて、黄斑円孔を塞ぐようにします。(うつ伏せをすることで黄斑円孔に気体が当たるようになります)

当院では難治性の黄斑円孔の治療成績を上げるため、黄斑円孔の大きさや近視の程度など状態により、内境界膜の剥離方法や範囲を個別に決定しています。通所の剥離法のみではなく、内境界膜を部分的に残して黄斑円孔に被せる内境界膜飜転法などの手法を積極的に取り入れています。黄斑円孔の状態によりますが、手術時間は白内障との同時手術でおおむね30-45分程度です。
硝子体手術の詳細は、網膜硝子体手術の項目をご覧ください。

治療例1:78才 男性

術前視力(0.2)→術後視力(0.7)

  • 数週間前から右眼の歪視が出てきたため受診。断層写真では大きな黄斑円孔が見られ(矢印)、一部網膜剥離も出始めていた(星)。
  • 白内障・硝子体手術を施行した。強度近視眼であり、黄斑円孔のサイズも大きかったため、閉鎖率を上げるために内境界膜(ILM)を剥離して黄斑円孔に被せるinverted ILM flap法を行い、膨張性ガスによるタンポナーデを行い手術終了した。
  • 手術後黄斑円孔は閉鎖し、歪視と視力は著明に改善した。
  • Inverted ILM flap法は、強度近視や巨大黄斑円孔などの閉鎖が得られにくい黄斑円孔に対して行われる方法で、良好な成績が報告されています。

術前 視力(0.2)

術後 視力(0.7)

治療例2:73才 女性

術前視力(0.3)→術後視力(0.9)

  • 数週間前から右眼の歪視が出てきたため受診。断層写真では、円孔計約450μmの黄斑円孔が見られた。
  • 硝子体手術を施行、黄斑円孔のサイズがそれほど大きくなかったため、通常の内境界膜剥離法を行った。空気によるタンポナーデを行い手術終了した。
  • 手術後黄斑円孔は閉鎖を得られ、視力も著明に改善した。

術前 視力(0.3)

術後 視力(0.9)